これはこの世のことならず 死出の山路の裾野なる 賽の河原のものがたり
聞くにつけても憐れなり 二つや三つや四つ五つ 十にも足らぬ嬰児(みどりご)が
賽の河原に集まりて 父上恋し母恋し 恋し恋しと泣く声は この世の声と事変わり
悲しさ骨身を通すなり かの嬰児の所作として 河原の石を取り集め
是にて回向の塔をつむ 一重くんでは父のため 二重くんでは母のため
三重くんでは古里の 兄弟我が身と回向して 昼は独りで遊べども
日も入りあいのその頃は 地獄の鬼が現れて 「やれ汝らは何をする
娑婆に残りし父母は 追善作善の勤めなく 親の嘆きは汝らが 苦患を受くる種となる
我を恨むる事なかれ」と くろがねの棒をのべ 積みたる塔をおし崩す
その時能化の地蔵尊 ゆるぎ出だせ給いつつ 「汝ら命短くて 冥途の旅に来るなり
娑婆と冥途は程遠し 我を冥途の父母と 思うて明け暮れ頼めよ」と
幼き者を御衣の 裳裾(もすそ)の内にかきいれて 憐れみ給うぞ有難き
未だ歩まぬ嬰児を 錫杖の柄に取りつかせ 忍辱慈悲の御膚(みはだ)へに
いだきかかえて撫でさすり 憐れみ給うぞ有難き
南無阿弥陀佛 阿弥陀佛 南無阿弥陀佛 阿弥陀佛
30代前半のsさんはお一人のお参りでした。「お相手はどうされましたか?」と伺うとお付き合いがなくなったということでしたのでそれ以上は伺いませんでした。「お一人でも構いませんので一緒にご供養しましょう。阿弥陀さまの本願にすがって南無阿弥陀佛と称えれば必ずお子さんは極楽に救われます。」と申し上げ共に念佛を称えご供養をしました。最後の水子地蔵和讃を唱えますとハンカチを目にあて深く悲しまれているご様子でした。お経が終わり拝んだお札をお渡ししますと「有難うございました。ずっと気になっていました。気持ちがすっきりしました。」と話されお帰りになる後ろ姿は心なしか晴れやかに見えました。
法善寺の水子供養は南無阿弥陀佛と念佛を称え、ご本尊の阿弥陀さまにお救い頂くようお勤めをします。阿弥陀さまは「南無阿弥陀佛と我が名を称えたもの、称えて供養をされたものを必ず私の極楽浄土に救う」と本願に誓われています。真心をこめて南無阿弥陀佛と供養をすれば、間違いなく阿弥陀さまは亡くなったお子さんを救ってくれます。さらにいつか私達も極楽往生をした時、亡くなったお子さんと再会もかなえて下さる佛さまが阿弥陀さまなのです。
様々な方々がご供養に来られます。お一人の方、学生さんのカップル、新婚さんから、お若い時に亡くなったお子さんを弔うためとおっしゃる高齢のご夫婦、一方で知人の霊能者に水子のたたりと言われた方など、一口に水子さんのご供養と申しても、同じような方は一人としていないことでしょう。求めずして授かる方もいれば、せっかく授かっても失われてしまう事もあります。原因不明で悩まれたり、苦渋のご決断で後悔されたりと、どのようなご事情であれお子さんのことを想っている方は是非ご供養においで下さい。宗派は問いません。速やかに阿弥陀さまと縁を結び亡きお子さんのご供養をされますよう謹んでご案内いたします。合掌 法善寺 住職
〒3240037
栃木県大田原市上石上72
TEL 0287-29-3918
FAX 0287-29-3918
e-mail j_houzenji@ybb.ne.jp